「経済」と聞くと、株価や為替のような遠い話に思えるかもしれません。
しかし実際には、わたしたち一人ひとりの生活と密接につながっています。
国の経済力とは、簡単にいえば「その国が、どれだけ豊かに、安定して暮らせるか」を支えるチカラです。
経済力とは何か
経済力は、主に次のような要素から成り立っています。
- 国民が得られる所得(収入)(GDP国内総生産:生産の合計=消費の合計=所得の合計は必ず同じ)
- 海外との貿易の規模
- 国家や企業が保有する資本(お金や資産)
これらが十分にあれば、教育・医療・福祉・インフラといった社会の土台に投資でき、今を安心して暮らし、将来への希望を持てる社会が築けます。
経済力が失われるとどうなるか
この力が衰えると、生活の様々な場面に「余裕のなさ」として表れます。
- 給与が上がらず、物価だけが上がっていく
- 自国民の必要物を自国で生産出来ず輸入依存となり輸入物価高騰で物価が一気に跳ね上がる
- 家計にゆとりがなく、趣味や習い事、家族と過ごす時間など「心の豊かさ」につながる支出が難しくなる
- 国内産業が衰え、失業者が増える
- 外国資本によって土地や企業が買収され、地域の経済が外から左右される
- 国際的な影響力が低下し、外交でも主導権を握れなくなる
つまり経済力は、個人の生活レベルから国の地位に至るまで、あらゆる基盤を支える柱です。
日本の現状
日本は、1995年をピークに長期停滞の状態にあります。
- 名目GDP(経済の大きさ)は、1995年から2017年までほとんど伸びていません。
- この間マイナス成長だったのは、内戦状態が続いていたリビアと日本だけです。
- 日本の世界における経済シェアは、1995年には17.5%だったのに対し、2022年には4.2%まで落ち込みました。
- 一方で、少子化と高齢化が進み、生産年齢人口(働く世代)は減少を続けています。
かつて「経済大国」と呼ばれた日本は、いまやその地位を保つのが難しくなりつつあるのが現実です。
経済力を支えるもの
では、経済のチカラを維持・発展していくには、何が必要でしょうか。
- 人口:働く人の数。また未来を支える子どもと若い世代が増えていくこと
- 教育の質と機会:人材の力が国力に直結します
人口減少に対して自国民の必要物を支えるには生産性向上しかない!教育・科学技術投資による生産性向上以外に生活を支える術はなく、生産性向上による一人当たり生産量の向上は所得を向上させる。
※生産物を買い取る力=需要と支出能力
売れない生産物を過剰生産しても意味がありません、国家の維持運営に必要な公的部門のモノやサービスを国民が生産し、国が支出する。そうすることで初めて国全体の生産能力の向上と共に国民を豊かに、より安全で便利に豊かな国民生活の実現できると共に未来に対する安心感と希望を持ち子どもを持つことが可能になる。
- 他の国力(資源力・技術力・国防力・政治力)との連携:経済はそれ単独で成り立つものではありません
経済とは、単なるお金の話ではなく、「社会をどう維持し、次の世代へ何を渡せるか」に直結するテーマです。