このページは下記の書籍をもとに、災害の大部分は避けることができるという点についてまとめました。
参考文献
- 藤井 聡 /日本復活5カ年計画 列島強靭化論
- 表現者クライテリオン 2019年 01号
- 座談会平成天譴論(p28-29)
- 国家の安全保障と強靭化の戦略 志方俊之(p60-66)
- 大石久和 国土と日本人(p14-17)
- 大石久和/「国土学」が解き明かす日本の再興
近年「災害」被害は甚大化し、自然現象は戦慄を覚えるほどに凶暴化しています。
令和6年は元日から能登半島をM7.6(最大震度7)の地震が襲い、その後も各地で震度4〜5程度の地震が相次いでいます。近い将来発生すると言われる南海トラフ大地震や首都直下地震、そのほかの自然災害に対しても、どうすればよいのかと不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
災害には常に天災と人災の両方の側面が存在する
まずは「災害」と「自然現象」は異なるものと理解することから始まります。
災害は、自然現象が人間活動と交わる社会的現象です。つまり、災害には常に天災と人災の両方の側面が存在します。
昨今の甚大な災害もすべて、「自然現象の凶暴化」の側面に加えて「防災についての不作為という人災」の側面が濃密にあるのです。
問い直すべき「不作為という人災」
防災において問い直すべきは、この不作為による人災です。構造物は復元できても、失われた人命は戻らず、家族の心の傷も癒えません。
私たちに自然現象を制御することはできませんが、「不作為という人災」をなくすよう努めれば被害者を減らすことは可能です。大切なのは今後増えるであろう未曽有の自然災害に対処するための社会活動「国土強靭化」です。
災害対策の基本は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせです。
「国が行うこと」、「自治体が行うこと」、「個人が行うこと」
三位一体になれば「不作為という人災」を減らし被害者を減らすことは可能なのです。
災害過剰適応大国に求められる思想の転換
今や根本対策は可能であると知る
台風ルートや、プレートの密集など異常な程の地政学的悪条件下にあり、他に比肩するものがない災害大国の日本列島。激しい災害に襲われ続ける日本人にとって、唯一の道は自然に対していかに順応するかしかありませんでしたが、今や現代技術を活用し根本的な対策さえ行えば、災害の大部分は避けることが可能なのです。
私たちの本当の脅威は「現代技術によって災害の大部分は根本的な対策さえ行えば避けられるものにも関わらず、災害が起こるまでは決して根本的な災害防災対策を講じない。」 という、不作為の姿勢です。
災害が発生するまで対策を講じない姿勢を改め、国土強靭化に本気で取り組めば災害は減らすことができます。またその過程では、株価だけではなく足元の経済も回復し、日本は再び立ち上がることができるのです。