南海トラフ・首都直下地震 本気で取り組めば災害は減らせる

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「失われた30年」を終える契機はインフラに中尾

国土強靭化という言葉を知ったのは2011年、東日本大震災から間もない頃でした。

「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げた民主党から、「日本を取り戻す」と謳い「国土強靱化基本法案」を提出した自民党が政権を奪還した時、これで被災地の復興、国全体の防災対策が勢いよく進むのではないかと期待したことを昨日のことのように覚えています。

しかし2024年元日、能登半島を襲った大地震によって白日のもとに晒されたのはインフラの脆さでした。道路が寸断され、被害状況の把握すらも難しいという現実。強靱な道路があれば助かった命も少なくなかったはずです。

地震以外にも近年は豪雨による甚大な被害も増え、自然災害に限らず笹子トンネル天井板落下事故など、必要なインフラ対策、土木工事がなされておれば被害はもっと少なく済んだのではないかーー言い換えれば、インフラへの投資を怠ったことが被害を生んだり、大きくしたのではないかと事ある毎に感じます。

将来へのツケを残すなーー新聞やテレビでよく目にする言葉ですが、脆弱になっていくインフラを放っておくことこそ1番の将来のツケ。
私たちが日々の生活を送ることができているのは、先祖が代々国土と向き合い、汗水垂らして、時には命を危険に晒しながらもインフラを造ってくれたからです。この宝物をより強靱なものにして後世に引き継ぐことこそ今を生きる私たちの役目ではないでしょうか。

加えて、国土に向き合い、インフラを考えるところに私たちを苦しめてきた「失われた30年」を終わらせ、本来の健やかな人生を取り戻す契機があると確信しています。

子ども食堂、海外で売春する女性、私自身が若かった頃には考えられなかった歪みは増える一方。人身事故も日常茶飯事といっていい有り様です。今は平穏な日常を送ることができている人の中にも、特にコロナ禍以降、この先の人生に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

インフラと社会の歪みや自分の不安がどう繋がっているのかーー
ともしびは、インフラが与えてくれる活力をみなさんと共有し、大きな声に惑わされずに落ち着いて考えることができる場を目指しています。

ともしび運営メンバー

ともしびは雑誌「表現者クライテリオン」の読者、表現者塾関西支部のメンバーが中心となって運営しています。

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