南海トラフ・首都直下地震 本気で取り組めば災害は減らせる

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穏やかな日常の条件福谷

テーマパークに行ったり、映画に行ったり、旅行に行ったり、非日常的な楽しい思い出はその裏で、思い出になりようのない普段の穏やかな日常があるからこそ、際立つものと思います。

2024年6月現在、もうすぐ1歳になる息子を抱える自分は、平日の平凡な仕事といつもの妻の食事をいただき、休日に妻と息子と3人で、近所を散歩するのが楽しく過ごしています。

この穏やかな日常は何によって成り立っているのか、そんなことは普段考える必要はありません。しかし私たちは度重なる震災やコロナ禍で経験したように、断水、停電、道路封鎖、避難所生活、また行動制限、三密回避など、それまでと全く異なる生活を強いられたとき、平穏が崩れることを感じてきました(またはそのような同胞の被災者を見てきました)。震災やパンデミックに限らず、テロや侵略、さらに程度差はあるにしても、職を失うこと、収入を無くすこと等も同様かと思われます。つまり、インフラやいつもの生活リズムといった安定した生活基盤が乱されると、私たちは落ち着きを無くし、穏やかな日常を無くしてしまうのです。

だとすると、安定した生活基盤について、何が脅威であり、どう守り、どう維持していくかについて関心を払わざるを得ないと思います。一方、学者でもない私たちがこの手の問題に妥当な判断を下せるでしょうか。様々な学説があり、様々な計算式があります。例えば南海トラフについて、今後(2024年から)30年以内に70%~80%の確率で発生し、20年間の累計被害総額が1240兆円という予測が提示されています。公的で権威のある機関の発表なので、信憑性はかなり高いと思いますが、これが本当に正しいのかと、深く根拠を求めれば専門的になり、私たちにはよく分かりません。(故に当サイトでは各種文献をあくまでも紹介、または内容まとめという形で掲載しています。)

しかし、重要なこととして思い出すべきなのは、繰り返す過去の大災害を経て、政府が今どうしているのか、どういう態度を取っているのか、ということです。大きな被害が繰り返されていると感じないでしょうか。当たり前の対策をこれまで十分やってきたのか、これを単に費用対効果や財源の問題という点で仕方が無いと、諦めて良いものでしょうか。

学者ではない私たちは理屈ではなくこの違和感をきっかけに、考え始めることができます。(本来、学者もそうなのかもしれません。)防災対策、減災対策の現状について、そこで見えてくるのは違和感への確信として、やっぱり対策が十分ではないことでした。できることが山程あるのに、やっていないということでした。そのような状況を少しでも変える為、まずはそれを多くの方に知っていただく必要があると考え、この「ともしびプロジェクト」を立ち上げた次第です。

私たちの「穏やかな日常」を守ること、その為にできることを真剣に考えて、実行に移さなければならないと思います。

ともしび運営メンバー

ともしびは雑誌「表現者クライテリオン」の読者、表現者塾関西支部のメンバーが中心となって運営しています。

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